アメリカの大恐慌 8
ローズベルトの声は、なお力強く寒空に響きました。
「・・・アメリカは行動を必要としている。今すぐの行動である。・・・われわれは行動を起こさねばならない。しかも今すぐ行動しなければならない・・・この行動はあまりにも引き延ばされた。現在ほど行動を必要としている時はない。この未曾有の難局のために、通常の手続きやしきたりなど、しばらくかまっていちれないことになるかもしれない・・・」。
たしかに1日も早く行動が必要なときに、ローズベルトは大統領に就任したのです。
その日ほとんどアメリカ中の銀行が閉鎖され、未曾有の金融危機に直面していたからです。
いわゆる「銀行休日」は1932年10月ネバダ州ではじまり、翌33年2月には中西部に飛び火。
そしてついに3月はじめには、新旧両政府の共同のもとに、財務省が全国に向けて銀行休日を要請するという危機に直面していました。
年初から内外に流出する金準備は71%も減少して底をつきそうになっていました。
ですから、新大統領は即刻にも行動を起こさなければならない、差し迫った状況にあったわけです。
彼は直ちに3月9日に特別議会を召集し、緊急銀行法を成立させるとともに、全国的な銀行休日を宣言。
この間アメリカ全国に、緊迫感に満ちた日々が続きましたが、新政府の機敏な処置により、3月15日までには全国銀行の約半分が業務を再開し、これによって全銀行預金の90%が救われました。
この緊迫した銀行危機からの脱出に続いて、いわゆる「アメリカを震憾させたニューディールの100日間」がはじまるのです。
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